ウド戦記

投稿日:2019年5月30日

5月18日(土)朝4:00集合

 

北の釣吉さんのお誘いのもと,私(鈴木2号)と五十嵐さんの3名で山形方面へ向かう。

2時間半の車内では,タコ漁の魅力や源水会メンバーの健脚などの話題で盛り上がる。

当日の山形気温は25度が予想されていたが,現地はまだ春になったばかりの空気でヒンヤリとしていた。

 

今回の目的は,ただ物採りゼンマイ,シドケ,山ウド等。そして少しばかりのイワナ釣り。

車を降りて数分。すぐに糸を垂らす。何匹かを釣り上げる。大きさもまずまず。その後,渓流側面の岩を慎重に下りながら,山に入る。朝陽と新緑がまぶしい。ポイントを探りながらどんどん上流へ向かう。途中,北の釣吉さんからアドバイスをもらいながら釣り上げる。「あそこを流してみな」「もうすこし竿を立てて」。その通りにやると数秒でイワナがかかる。沢の状況,岩の配置を見極める目,熟練の技に惚れ惚れする。

2時間程度楽しむ。五十嵐さんは着実に釣り上げ8匹,鈴木2号もアドバイスをいただきながら4匹,北の釣吉さんはガイドに徹底。その後,崖山を登り,細い道を慎重に歩きなが上流に向かうが,雪渓のため,これ以上は難しいとの判断。例年よりも雪が残っている山形とのこと。尾根沿いを戻りながら,コシあぶらの収穫を期待するが,大きすぎたり,小さすぎたりといった状況。コゴミはちょうど食べごろのサイズ。袋一杯に詰め込む。

その後,車でO川に向かう。今回のお目当てのウド・しどけが待っている。

すぐに糸を垂らすが釣果なし。道沿いを30分程度歩きながら上流へ向かう。なかなかの水量。昨年まで道があったという場所から入渓。ポイントを探しながら釣るが,あたりはなく,山菜取りに向かう。

五十嵐さんは車まで戻り,その場所でイワナ釣りをする。(なぜだろう…ちょっと不安の予感)

北の釣吉さんに連れられ,「さぁとるぞ」と意気込みながら,どんどん崖を降りる。目の前にあったのは,音をたてる堰堤。右手は30mの滝。「落ちたら死ぬな…」顔が引きつる。「大丈夫ですかね?」「確かめてみるから!」と力強い北の釣吉さんの声。「大丈夫じゃない」と言ってほしい…。答えは…「いける,いける。慎重にわたって!」どんどん北の釣吉さんは進んでいく。靴の紐を締め直し,入渓。水の高さは膝下程度。ウドを採る前に,自分の足が水の勢いで取られそうになる。

一歩一歩進む。顔がこわばる。腰が引ける。「こわー」真ん中に来ると足元の水を見すぎたためか,目が回りそうになるが,何とかたどり着く。

ウドは南斜面の崖に群衆で生えていた。目が慣れるとどんどん見つけることができた。

「しどけ」もある。至る所に「うるい」もあった。危険と怖さの先には,『ただ物採りの楽園』があった。

何とか帰りは堰堤を避けられればと,北の釣吉さんに話をするが,沢を渡る方が危険とのこと…。

心を奮い立たせるが,体がついていかない。源水会に参加させていただいて,今回もまた初めての経験。自分の一歩が,本当の「死」につながる体験。バンジージャンプもジェットコースターもやはりレジャーだな。「本物とはこういうものか…」と考えながら,堰堤の上を一歩一歩進む。

「ゲド戦記」ならぬ,「ウド戦記」であった。

 

家に帰る。本物の先には,本物の味が待っていた。

戦利品を並べながら,北の釣吉さんに教わった味噌をつけた生ウドを食べてみる。

「怖かった~。でもまた行きたい」と思う「欲たかれ」がここにいた。

来年の山,来年の沢,旬の味が待ち遠しい。