渓はポイントの連続

投稿日:2017年6月26日
核心部は下流からは遠すぎる、かといってそこへ入る道はない。そんな渓流に2年ぶりに藪漕ぎしてから、枝沢を下るというルートで行くことにした。

同行者は北の釣吉さんである。還暦をとうの昔に過ぎているらしいのだが、年不相応の普通じゃないな体力なので、ついていくのが大変だ。自分もあの年になったら、ああなりたいものだ。

枝沢は最初の1滴から始まるルートとなった。本流にたどりつくまでに、ひたすら急な下りだ。辿り着くまでに2時間半もかかってしまい、途中へこたれそうになった。デスクワークで運動不足の身に染みる。来るんじゃなかったと心の中でブツブツとつぶやく。

本流に出るとそこはもうポイントの連続である。これほどポイントが連続する渓流はそうない。そして傾斜が緩やかで高巻きがない。遡行し易い渓流である。竿を出すと次々とイワナが顔を出してくれる。両側は延々とV字谷になっていて、山岳渓流の風景を見ながら、イワナを釣るというのがとても楽しい

でものんびりと釣りをするというわけでなく、常に空を見ながら釣り登った。ここのところ、天気はかんばしくない。ここで、水が出たら、身動き出来なくなってしまう。白く広がる雲が鉛色に変わらないかと、常に気にかかる。

北の釣吉さんは、「小さいポイントでイワナを釣るのが好きなんだ。」と言って、細かなポイントを丁寧に探り、イワナを宙に飛び出させている。

餌をあまり持っていかなかったので途中でなくなってしまった。そこで、10年ぶりぐらいに毛鉤を使うこととした。取り出したのは、中ちゃん毛鉤である。源水会会員の中ちゃんが作った特製の毛針だ。大きくて見やすく 食いが良い、釣り人に非常に都合の良い毛鉤である。毛鉤をセットすると、すぐに絶好の毛鉤のポイントが出てきた。鏡に近い水面でゆっくりした流れである。そこに毛鉤を浮かべると、イワナがゆっくりと追いかけてきて、ゆっくりと食った 毛鉤をくわえ戻ろうとした時に、合わせを入れた。水面を割ったのは尺上だった。

納竿してしばらくすると、大粒の雨があたりの風景を灰色に変えた。途端に緊張感が走る。急いで枝沢まで戻るのであった。